2019年3月12日火曜日

戦わずにして勝利する唐王朝の名将だった郭子儀は、長寿で子孫がめでたく繁栄したから、老いては常に孫たちを見守る好々爺であったのだろう - 大乗寺(応挙寺・香美町・兵庫県)

大乗寺・郭子儀の間

スキーシーズンに旅行をすれば、雪景色の借景を楽しむのは定番になりますな。
寒い季節ですから、スキー以外でアウトドアで行楽を楽しむというのは難しい。

旅行中に何か他に楽しみが無いかと考えましたが、手っ取り早いのはグルメね。
だから、旅行計画を立てたら、たベログとか地元の観光協会のHPを漁ります。

他には道の駅も調べたりして、道中、立ち寄れるようにルートを考えたりする。
そんな出発前の作業が楽しいのですが、一緒に行く上さんに配慮するからなの。

上さんはスキーをしませんので、おじじが滑っているときは暇を持て余します。
ゲレンデに到着したら、スキーセンターで本でも読みながら待ちくたびれます。

まあ、申し訳なくて、滑走時間は三時間が上限と定めて、ひたすら滑りまくり。
こうして、雪質のコンデションが良い午前中に、ヘトヘトになるまで滑ります。

それで、滑り終えてしまえば、後は昼ごはんで午後から観光するパターンです。
スキー場の食堂で昼ごはんを食べる時も多いのですが、この間はおいしかった。

信州中央高原のしらかば2in1スキー場でしたが、食数限定のキーマカレーなの。
口コミでは、ゲレ食にしては格上と口コミされているほどだそうで、おいしい。

ネパールナンカレー・キーマというメニューですが、少し甘口のカレーがグー。
上さんと二人でぱくついてしまいましたが、こういうゲレンデは楽しめますな。

ただ、スキー場の施設に期待できないと、昼ごはんを求めて車を走らせるんだ。
今回、兵庫県にあるハチ北スキー場へ行ったけど、やっぱり、但馬牛でしょう。

それで、ハチ北高原の入口にある道の駅へ行きましたが、メニューが牛丼だけ。
折角、兵庫県まで来て、これではあまりに貧相だと思いまして、隣の駅へ直行。

道の駅「村岡ファームガーデン」といいますが、牛肉を売る肉屋さんがあるの。
レストランも期待できそうで入ってみれば、サシの入ったステーキがあります。

ただ、150グラムで9800円と目の玉が飛び出そうだったので、他を探しました。
うーん、ホルモン焼き定食(1380円)、たじま牛焼お膳(1650円)が手頃だな。

   
こうして、これら二つを注文して、お互いに分け合うことにして、食しました。
まあ、メニューもメニューだし、そんなにグルメでもないから、食レポは無理。

これが但馬牛だと唸らせるものでもなく、ゲレ食よりはおいしかったとします。
それでも、但馬牛の里で食べたという思い出が残りましたので、それで満足ね。

この後、まだ陽も高いし、チェックした観光ポイントに向かって出発しました。
俗に応挙寺と呼ばれている大乗寺なんだけど、ハチ北のエリアから意外に近い。

カーナビで四十分と出ましたので、目指しましたが、もうそこは日本海のそば。
この香美町は、合併で内陸から海岸をカバーした自治体で変化に富んでいます。

内陸の山岳地帯が国定公園で海岸は国立公園に指定されており、景勝地なんだ。
これだけ観光でPRできる自治体も少ないと思いますが、それに名高い仏閣だ。

この大乗寺の住職は、江戸期の絵師、丸山応挙を世話したパトロンだったのね。
このため、応挙一門で、住職のお礼の気持ちを込めて襖絵を描いて残しました。

クリックしてPDFを見てね

寺院の間取全体の部屋を仕切る襖と言う襖に描かれましたが、圧巻は客殿襖絵。
金箔の下地に水墨で松や孔雀が描かれているのですが、濃緑色のように見える。

これが不思議ですが、西日が差し込んで、下地が輝き出す季節が好いらしいよ。
ガイドさんがそのように言っていましたが、現在の展示物はデジタル複製品ね。

高精細のスキャナーで画像を読み取り原寸大で印刷しますが、目的があります。
重要文化財の指定ゆえ、火災など取り返しの付かない事態を避けるためだとか。

本物は、収蔵庫に仕舞ってあるといっていましたが、時々は展示するようです。
だって、今回の拝観でも「郭子儀の間」で原本の展示が行われていていました。

岩絵の具の色合いも素晴らいのですが、応挙の画力は騙し絵の手法にあるんだ。
この絵には八方睨みの技法が使われており、登場人物の視線に隠されています。

鑑賞者が歩みを進めると、子どもらと郭子儀の視線がどこまでも追ってきます。
面白いなあと感じ入ってしまいましたが、拝観した価値があったと思いました。

と言うわけで、西日本にスキー遠征しても、スキーだけの旅行はもったいない。
上さんへの配慮もありますが、遠路はるばる西日本まで遠出したんだから、めったに見ることの出来ない、名所旧跡、神社仏閣、景勝地などなど、訪ねておけばよかったと思うことのないようにと、車を走らせる自分がいるのでした。


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