平成4年4月5日滑走 |
長野県の人気スキー場に出かけるようになって気が付いたことがあ りました。
それは、中京圏、関西圏からのスキーヤーが大挙して、 滑りに来ていることでした。
おみゃー名指しの名古屋弁、しばくで一喝の大阪弁など、 方言が飛び交います。
越後湯沢辺りのゲレンデですと、 首都圏のスキーヤーが中心になります。
このため、標準語の会話が殆どで、 東京都湯沢町と揶揄されたりしてきました。
自分は北海道の札幌育ちですが、 今も昔もほぼ標準語で話して来ました。
このため、東京へ就職しても、別段、 しゃべり言葉で気をつけたりもしません。
なまらとか、めんこいみたいな方言も、 どちらかといえば移住地からの借用です。
北海道のタレント、 田中義剛がおかしなアクセントで話したりしてますよね。
彼は、実際は青森県八戸の出身で、 大学の入学で北海道にやってきました。
なので、卒業後に正式に北海道に移り住んでいますから、 道産子とはいえない。
最低限、生まれも育ちも北海道なのが、 北海道弁の真の伝承者でしょうか。
さて、訛りの強い地方の出身者の方は、 標準語に気後れするのかもしれません。
口数も少なく、無口になるかもしれず、他方、 名古屋や大阪の人は饒舌です。
人口も集中して経済が活気に満ちていればこそ、 標準語の気遣いも要らない。
なので、人気のゲレンデへ出かけては、結構、 大きな声でおしゃべりしたりします。
特に西日本のスキーヤーを見ると、 雪も降らない場所からなぜと思ったりしました。
夏の暑苦しい地域から来て、暖気まで運んできそうで、 雪が融けてしまいそう。
陰で来るな来るなと罵っていましたが、 これは分けありでメディアの影響でした。
これは、マニアックなホイチョイプロダクションが、 とある本を書いていたからです。
”極楽スキー”という本なのですが、 関西人の滑りに来るゲレンデ表現が物凄い。
納豆のように糸を引き、雪質が劣化するような書き方が、 あったりしたからでした。
この集団は、ブームを象徴する映画”私をスキーに連れてって” を製作しました。
映画でも志賀高原を舞台にしていて、 このリゾートの思い入れが強いみたいです。
かなりの偏見ですが、自分も内地に移り住んで未だ十年で、
ただ、自分は車で野宿の貧乏スキーヤーでして、 カップルで滑るのは夢幻なのだ。
こういったメディアのちんけな情報を受け売りしたのも、 実に若気の至りでしょう。
今となっては懐かしい思い出ですが、 確かに妙高では関西のスキーヤーが多い。
池の平でリフト券を譲ってくれた男性は、関西から来たと話して、 目から鱗です。
まあ、北陸自動車道を飛ばしてくれば、 意外に白馬や妙高は身近なものらしい。
関西からだろうが、中京からだろうが、 スキーを楽しみに来るのは自由なのです。
かなり寄り道してしまいましたけど、 こういった妙高周辺の思い出なのでした。
さて、滑った平成四年四月五日は、 シーズン営業の最終日で日曜日でした。
お客さんも、ほとんど滑っていなくて、 上部でボタン雪の降りしきる中を滑りました。
当時は、ゲレンデ経営が四企業に別れ、 別々にリフト券が発行されていました。
自分は共通リフト券を買いましたが、 全てのゴンドラとリフトの制覇に挑戦です。
これは、大変でしたが、 営業休止のリフトを除いて全て乗り切ることができました。
本当なら、二日券を購入して、 ゲレンデを味わうように滑るべきだったと思います。
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当時のゲレンデマップを見直すと、ゴンドラ・ リフトが合計28基もありました。
現在は、21基と整理され少なくなっており、 目立つのはチャンピオンゲレンデです。
第五・六リフト自体が廃止されて、 この上級コース自体が消滅しているのです。
これも、競技スキーのために開発された全日本コースゆえ、 険しさは際立ちます。
現在では、スキー人口も減って、 ガッツに根性出して滑る人もいないでしょう。
なので、のんびりリゾート気分で滑るのは、 時代の流れというか趨勢なのです。
というわけで、人がその地域の出身者なら、 方言や訛りを聞くもの懐かしいはず。
なので、明治時代の歌人、 石川啄木も郷里を思いやる短歌を残していました。
故郷の 訛り懐かし 停車場の
人ごみの中に そを聞きに行く
スキー場で、地方々々の方言を聞くと、 正に全国区のゲレンデだと分かります。
赤倉の銀座スロープで、 日本で初めてナイタースキーが開催されたのが、 八十五年前といいますから、実に古い歴史を持つゲレンデですし、 江戸時代から知られている温泉に加え、 名山の妙高山があることから名高い観光地ですので、 もう一度たずねて見たいものだと思うのでした。
おまけ:
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注:コースマップ出典元→オールスキー場完全ガイド’95( 立風書房)
赤倉ゴンドラ・リフト一日券(裏) |
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