スキー場にある人工降雪機は、 いかにもマシン然としていかにも無骨なものです。
本当なら、雪を降らしてくれるロマンチックな装置なのですが、 目的が違います。
スキー場のゲレンデを作ることこそ、 第一義ですから見てくれより性能でしょう。
どれだけ効率よく雪を降らせ、いち早くゲレンデを造成し、 オープンに持ち込めるか。
それに、スノーマシンは、 気温が零度以下になる夜間が活躍の時間帯になります。
なので、スキーヤーの集う日中は、 邪魔者以外の何者でもなくなってしまうのです。
まあ、キャタピラー式なら作業が終了すれば、 移動して格納庫へ収納されます。
ところが、固定式ファンだとゲレンデの脇に固定されて、 無粋な姿をさらしてしまう。
なので、機能優先より、 もう少しデザインに気を配って欲しいとは思ってしまいます。
さて、冒頭のビデオは、”SnowWonder" ブランドの雪だるま式スノーマシンでした。
とはいっても、ご家庭用の雪降らせマシン程度にしか過ぎず、 雪も人造のようです。
アメリカで販売されている製品ですが、 パーティーグッズとしても紹介されています。
ということは、クリスマス・ ニューイヤーの冬季パーティーシーズン向けなのでしょう。
アメリカは広大でして、冬の季節でも、 雪の降らない地域は意外に多いのです。
フロリダなんか亜熱帯から熱帯の地域に入るし、 アリゾナには砂漠だってあります。
一方、ヨーロッパの移民から始まった国ですから、 クリスマス行事の意義は大きい。
サンタクロースはトナカイの引く雪ゾリに乗ってやってくるのに、 雪が見当たらない。
子供たちも、プレゼントはもちろんですが、 冬のシーズンに雪を見たいはずです。
こうして、雪だるまの装置が販売されているのですが、 なかなかかわいいですね。
デザインを見ると、 ゲレンデ用スノーガンなら雪だるまに仕込めるかもしれません。
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ご存知のように、効率よく降らせるには、 このデザインがどうしても必要なのでした。
さて、ゲレンデ用の人工降雪機は、 調べると世界各地にメーカーがあるようです。
日本では、樫山工業と荏原製作所が営業していましたが、 荏原さんは撤退しました。
それでも、長野オリンピックの頃、滑降コースの案件を、 六億円で落札しています。
ネットで検索すると新聞記事が見つかりましたので、 撤退はそれ以降と思われます。
スキーブームも去ったことだし、 それ以降はゲレンデ開発も無くなってしまいました。
ビジネスの将来性が見込めないとなると、 あきらめた印象が強い感じがします。
ならば、輸出ビジネスを検討したいところですが、 円高では競争力も厳しくなります。
しかも、スキーリゾートの本場、ヨーロッパやアメリカは、 この装置の発祥の地です。
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一方、日本メーカーは、渡来のノウハウや技術を応用して、 製品開発を行いました。
後は、お得意の品質向上や改良で勝負ですが、 こういった市場は非常に特殊です。
自動車のように、 十万台規模で北米で販売できるほどの市場規模でもありません。
国内にしても、 最盛期で年間千台以上を出荷できるぐらいのすきま市場でしょうか 。
アメリカのSMI社でも、 通算の出荷が一万二千台以上とあって想像以上に小さい。
それに、産業機器がこの規模でメンテナンスを展開するのは、 大変なのも事実です。
というわけで、荏原さんが撤退してから、 国内は樫山工業さんの一社が残りました。
この企業は、スキーリフト(索道)も手がけており、 スキービジネスにまい進中です。
ただ、最近では、 アメリカのSMI社製を輸入して設置するスキー場もあるようです が、ここは国産品を導入・設置していただくとして、 スキー産業全体の底上げを、バイジャパン(BUY JAPAN)で行こうではないかと、個人的には思うのでした。
荏原製作所設置実績表 |
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