ケツばっかり向けやがって |
トナカイって、角が頭の倍も大きくて立派ですが、頭が重くて大変だろうなー。
雄のトナカイですが、それに比べてメスは体も小さいし、角もないのでかわいい。
ここ幌延町のトナカイ観光牧場には、約六十頭のトナカイが飼育されております。
その内、見学できるのは二十頭ほどで、柵で囲んだ放牧場に放されています。
堂々たる角を持つ雄が何頭もいますが、小柄な雌も中には、混じっていました。
自然では、雄一頭に残りが雌のハーレムを形作りますが、仲良く群れています。
ただ、体毛がこげ茶色のくすんだ色で、普通の鹿に比べると、地味に見えます。
しかも、あるトナカイは首が白かったり、背中の色がはげていたり、どうも汚らしい。
鹿が明るい茶色でこぎれいなのに、こちらは、体毛の色合いでパッとしませんな。
まあ、この日は雨が降ったりやんだりと、冴えない天候の中、訪問いたしました。
カントリーサインもマスコットもトナカイ |
そういった印象もあってか、トナカイさんの見栄えがよくなかったのも、事実です。
代わりに、隣で飼われていた白ヤギさんは、エサ欲しさにメーメー泣いております。
訪問客も少なく、閑散とした中で、家族連れの子供が、エサを与えていました。
ヤギさんは人に良くなつきますので、エサやりでは、トナカイ代わりかもしれません。
一方、トナカイは放牧地をグルグル歩き回って、一箇所に留まることがありません。
最初は、柵の近くにいたのに、終いには奥の方まで引っ込んで、歩いていました。
こうなれば、つまらなくなって帰るとして、ふっと見れば、隣接する大型施設です。
この辺は、牧草地を除けば、ゆるやかな丘陵の森林だけなのに、かなり立派。
ふと疑問も涌いて、上さんに、あの茶色い建物って何だろうと、問いかけました。
ところが、あんまり興味が無いのか、スポーツ施設・合宿所では、というご託宣。
或いは、規模から特別養護老人ホームなんじゃないか、と言うことになりました。
まあ、そんなものかと思って、幌延町の市街にもどりましたが、どうも気になります。
結局、自宅に戻ってから、グーグルマップで調べら、正体は”ゆめ・地創舘”でした。
正式は、幌延深地層研究センターと言って、PR舘や展望タワーが含まれます。
グーグルドライブはこちらから 中ページもご覧ください |
日本原子力研究開発機構の所管する施設ですが、原子力でピント来ました。
俗に”幌延問題”で有名になった、高レベルの放射能廃棄物の地層処分です。
何しろ、半端なく放射能が高い廃棄物を、地下何百メーターに閉込める研究。
そして、それが低くなる半減期以降、百万年の単位で貯蔵しなければならない。
要するに、半永久的に人間界から追放して、無害化を図ろうとする技術ですわ。
でも、その間に、地層の褶曲で貯蔵空間を押しつぶされたら、どうなるのでしょう。
そして、地下水が出水したらどうなるのか、大地震で断層ができたらどうなるのか。
実は、ドイツで実証試験中に、大量の地下水の流入が、予測できませんでした。
その後、原子力発電を縮小、廃止するに至りましたが、このせいなのでしょうか。
つまり、将来の天変地異を完璧に予防しなくてはならず、それがなぜか幌延です。
まあ、北海道も旭川以北には、活火山がありませんし、火山性の温泉も少ない。
有史以来、地震の記録がほとんど無いので、地震を憂慮する必要もありません。
と言うか、先住民だったアイヌの人は、文字を持たず、記録は口伝に頼りました。
だから、地震の歴史も、いつどこで起きたのか、はっきり文字にも残されていない。
ここ幌延は、 アイヌ語のポロ・ヌプ(大きい野原)の言葉から、名づけられました。
語り部が、むかし、この地が揺れたことがあったのーと語っても、記録にもならない。
結果、地層学上の調査が重要になってくる分けで、断層も発見されております。
この名を、サロベツ活断層といい、現在の研究では、活動が二三千年での頻度。
他方、この断層自体の存在も疑問視されていますが、備えあれば憂いなしです。
だって、百万年での貯蔵ですから、二三千年の間隔で発生すれば、さあ大変。
道内のある自治体が用意した防災計画でも、この断層が指摘されております。
しかも、発生したら、マグニチュード7.6クラスだって言うので、規模がでかいわ。
放射性廃棄物を持ち込むことや使用することはしません
研究終了後は、地下施設を埋め戻します
研究実施区域を放射性廃棄物の最終処分場とせず、中間貯蔵施設も設置しません
というわけで、幌延問題で揺れた”ゆめ・土地創館”は、地域と約束をしました。
その方が、国立公園に指定されているサロベツ原野のある、自然豊かな幌延町ですから、観光牧場のトナカイさんもさぞや安心することでしょうし、日本で始めてトナカイの牧畜に成功した恩田さんの牧場だって、不安な気持ちも払拭できて、安心して経営できるのであろうなと思うのでした。
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