2017年6月3日土曜日

水平線が見えない海岸の方が遙かに少ないってことを、瀬戸内の人は知らないままで育つんだろうな - 土渕海峡(小豆島・土庄町)

土渕海峡、ギネス認定なんだぜ

実は、小豆島は二つの島でできていると聞いて、本当なのと思ってしまいました。
どうも、フェリーの発着数も多い土庄町は、本島と前島に分断されております。

そして、本島が小豆島に当たり、エンジェルロードのある渕崎地区が前島です。
でも、地図上では一括りにして小豆島と呼称しているのが、実に不思議なんだな。

まあ、行って見て分かったのは、分け隔てているのが河川みたいなものでした。
川程度のもので、これが海水の流れる水路なんて言われなければ分かりません。

それでも、幅が九メーターあるので、小さな漁船の往来は今でもあると聞きました。
この海路は、町役場の目の前を横切って行くわけですが、ちょっとした観光名所。

町だってPRしたいと思ったはずでして、実際、世界一幅の狭い海峡には違いない。
こうして、ギネスブックの認定を受けてから、すでに二十年が過ぎてしまいました。

でも、申請時、この海峡に名前すら付けられていなかったほど、注意されていない。
人々の暮らしの中に、当り前に生活水路として、溶け込んで埋没してきたようです。

まあ、ギネスになるには海峡の地名が必要で、どうしても命名せねばならなくなる。
こうして、町の名前と、前島の渕崎から、それぞれ字を頂戴して名づけられました。
  
   
一方、世界一広い海峡というのも存在しており、それは南極海のドレーク海峡です。
世界でも最も荒れる海域の一つとして有名で、最狭部でも約650kmもあります。

逆に土渕海峡は、名前すらないほどに、人々の生活に埋没したほど安全でした。
瀬戸内という内海は、外洋に比べて実に穏やかですので、このギャップは大きい。

もし、瀬戸内の海で育った人が、初めて日本海や太平洋の外海を見たらどうなるか。
大抵の人は、地平線の広がりとか、波の荒さなどを見てショックを受けるといいます。

どうも、茫洋とした外洋の空間の広がりに恐怖感を覚えるらしく、それが番組ネタに。
秘密のケンミンSHOW」で紹介していましたが、瀬戸内では地平線が見えないのだ。

瀬戸内海で沖合いを見れば、すぐに視界に島々が入ってしまうし、対岸も間近です。
つまり、水平線に日が沈む光景を拝めないのが瀬戸内ですが、穏やかさはあります。

まあ、多島海の借景こそ、かけがえのない生活風景であって、なごむんだよなー。
だから、水路に名前がついていなかったとしても、どうってことなかったのでしょう。

大体、島に暮らす人たちは、旅客船で通勤・買い物をするのが当り前に思えました。
でなければ、小豆島からの出航地も便数も、あんなに多いのに納得がいきません。

要するに、瀬戸内海の暮らしは、船を電車やバス感覚で普通に使いこなして当り前。
電車と同様に定期券も当たり前になっていて、ラッシュアワーも存在しているみたい。

というわけで、土渕海峡というよりも単なる狭い水路のままでいても、それが瀬戸内海。
これまで、北海道の離島、佐渡島、伊豆七島など、フェリーも含めてたくさんの旅客船に乗ってきましたが、瀬戸内海ほど、これほどまでに穏やかに美しい内海の景色を満喫した航海もなく、日本で初めての国立公園として指定されたのも、むべなるかなと思うのでありました。


おまけ:
尾道の水道も美しい
宮島もよかったな
宗谷海峡はどんよりとしていたな
津軽海峡の青函連絡船はよく乗りました


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