2021年7月20日火曜日

パリと決別した天才は、「シャルル・サノワ」という偽名で、マスコミや人々の噂から逃れるように、旅の空の下で作曲を続けたんだってさ - ピアノ協奏曲5番”エジプト風”(クラシック)

Saint-Saëns(1835 - 1921)
       
今年はクラシックの作曲家、カミーユ・サン=サーンスの没後百年になります。
フランスを代表する作曲家の一人ですが、音楽界では今一盛り上がらないんだ。

それもそのはず、世界中を襲ったコロナ禍のせいで、人々の活動が自粛中です。
このため、コンサートも減って、作品の取り上げられる機会が減ってしまった。

一般には、室内楽作品の”動物の謝肉祭”が有名で、どちらかと言えば冗談音楽。
知り合いのプライべートな夜会のために作曲されたようで、本人は手遊びです。

このため、生前、演奏はおろか、楽譜の出版を禁じていましたが、例外もある。
それは、この組曲中、第13番目のチェロ独奏曲、”白鳥”だけが出版されました。

聞けば、あの曲かと思うほど美しい曲で、音楽の授業で鑑賞したかもしれない。
それに、中学校の音楽教室に貼られていた作曲家ポスターでは、お馴染みの顔。

あの立派な髭を蓄えた面構えも風格があり、日本の鍾馗様をちょっと思い出す。
では、サンサーンスは、このような小品ばかりを作曲した分けでもありません。

ちゃんと、交響曲や協奏曲を書いていて、特にピアノ協奏曲5番がお気に入り。
”エジプト風”と標題付きなのも、本人が現地へ滞在した印象を踏まえたからね。

作曲した当時は61歳だったそうですが、自ら演奏して初演したほどの名手です。
ただ、この曲が演奏される機会はあまり多くなく、それは技巧的な問題らしい。

世界で初録音は1943年と半世紀近くも経ていて、しかも日本での演奏でした。
以降、演奏会で取上げられるのも稀ですが、NHK交響楽団の録音が残っていた。

ソリストは田中希代子で、昭和37年と音源は古くとも、手堅い演奏が聴けるな。
ユーチューブから視聴可能ですが、それをサンサーンスは初演で易々と弾いた。

比較すれば、プロコフィエフ3番も難度の高い曲ですが、どちらが難しいのか。
曲の雰囲気もかなり違いますが、サンサーンスは優雅に弾きこなしたい曲です。

自分に技巧がありますよと言う演奏よりも、美しく軽やかに締めくくりたいよ。
聞くたびにそんな曲と感じてしまいますが、ユーチューブでもアップが沢山だ。

Jeanne-Marie_Darre
          
自分が好きな奏者は、ジャンヌ=マリー・ダルレで、難しい曲でもさりげない。
モノラルでもリマスタリングされた動画がアップされていて、聞きほれますな。

というわけで、フランスの作曲家にはフランス人の演奏家がお似合いなのです。
このほか、個人的には演奏時間わずか12分のバイオリン協奏曲1番なども、本人が気に入っていたと言うだけあって素晴らしい作品ですが、演奏時間の短さゆえコンサートで演奏される機会も少なく、この際、没後百年なんだから、音楽ファンは、彼の作品を聞きまくって、この天才の全貌を把握してもらいたいと思うのでした。



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