2021年11月15日月曜日

本人はピアニストでギターは演奏しなかったのですが、作品を通じてクラシック・ギターの普及に功績のあった人だな ー ホアキン・ロドリーゴ(作曲家)

本人の演奏はこちらから
     
クラシックの作品で、ギター協奏曲と言えば、”アランフフェス”は代名詞です。
ですが、作曲したロドリーゴは、本来はピアニストでしてギターは弾きません。

実は、ギターの知識がないので、作曲に際してギタリストから助言を得ました。
音量の小さな楽器ですから、オーケストラと音量のバランスを取るのが難しい。

なので、ギター奏者の助言なしでは完成できなかったと思いますが、傑作だな。
この助言者の弟子の中に、高名なナルシソイエぺスがおり好んで演奏しました。

つまり、普及に努めた第一人者と言っても過言ではないが、作品がいいからね。
全体の演奏時間も25分ほどで、決して大きな作品ではないが、実に魅力的です。

特に、第二楽章のアダージョが11分も占めていて、哀愁ある旋律が有名なんだ。
普通、協奏曲の第二楽章はゆっくりと短めな楽曲が多いですが、こちらは長め。

聞く人の心に染み入るメロディーは、多くのミュージシャンが編曲しています。
ジャズギタリストのジム・ホールのアルバムも有名で、タイトルもそのままだ。

こうして、クラシックのファンでなくても、超有名になってしまった作品です。
彼自身も、編成の大きい管弦楽の交響曲は不得手なのか、作品は協奏曲が中心。

ピアノ協奏曲もありますが、音量のある楽器の作品は、聞いて感心はしません。
むしろ、音量のないハープによる管弦楽のための”セレナータ協奏曲”も美しい。

ハープ協奏曲、ご試聴はこちらで
     
作曲された同じ年には、もう一つの代表作品”ある貴紳のための幻想曲”も作曲。
大規模な管弦楽作品より、音量の乏しい弦楽器とのアンザンブルが名人芸かも。

ただ、バイオリン協奏曲だけは、聞いていてハチャトリアンを彷彿させる佳品。
でも、弦を指ではじく楽器のギターなどが、作曲に本領を発揮していると思う。

特に、”ある貴紳のための幻想曲”という室内楽的な協奏曲は、対をなす傑作だ。
自由で幻想的な四楽章の組曲形式で、古風で典雅な宮廷の日常を思い起こす。

初演が1958年ですから、当時、クラシック音楽界が現代音楽の真っ盛りで真逆。
不協和音が何者ぞと、どこ吹く風で本来の音を楽しむ作品が出来上がりました。

というわけで、ユーチューブには、本人演奏のアランフェスが残されています。
かなりお年を召した頃の演奏のようですが、ピアノの楽器の響きに頼らずに楽譜の音符を正確に捉えながら、丹念に音を紡ぎ出すような指捌きも個性的で、その気持ちが伝わるかのような演奏は、やはり素晴らしいものだと納得していしまうのでありました。



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