2020年5月24日日曜日

あの小説「羅生門」を執筆した芥川龍之介も、”山になずむ春や日かげの忍冬”と俳句を遺すぐらいで、日本の初夏の花らしさがあるな - スイカズラ(忍冬)(そのほか)

   
五月に入れば初夏を思わせる陽気の日もあったりして、実に爽やかな時期です。
関東ですと、梅雨が始まるまでには未だ日もありますので、気分が晴れるもの。

ただ、今年はコロナ流行り病のおかげで、外出自粛のため家に閉じこもりがち。
なので、気休め程度にお散歩で近所の辺りをぶらつくと、ふと甘い香りがする。

降り返ってみれば、ツルの枝が金網フェンスにまとわりついて花が咲いていた。
白い花弁にめしべやおしべがすっと伸びますが、色白な麗人のまつ毛のようだ。

通勤で歩く道すがら、川の土手沿いの急斜面でも咲いていて、よく見かけます。
なので、見た目をそのまま俳句にして見たくなり、一句ひねったのが上の句だ。

この匂い、トイレの芳香剤にでも使われていそうな、甘くて好ましい香りです。
いや、トイレならば、キンモクセイの香りでしょうという人もいるでしょうな。

ジャスミンもそうだろうとか、加えて”クルマにポピー”のCMまで思い出した。
吉本所属の漫才コンビ、オール阪神巨人が長年にわたり、CMキャラだったよ。

甲高い声で商品名を叫んだりして、ジャスミン、キンモクセイはラインアップ。
なのに、スイカズラの香りは無くて、植物名がちょっと野暮ったいせいかなあ。

本当は、ジャスミンより甘さは控えめで、清涼感のある優しい香りなんだって。
蜜が濃いので、そんな香りがするのだろうけど、海外はハニーサックルだとか。

香水や精油も人気だそうですが、ポピーの匂いには選ばれず残念なことでした。
それで、この時期、ジャスミンもガーデニングで咲いていて、よく目にします。

   
これも白い花ですが、正式はハゴロモジャスミンと言ってキンモクセイの仲間。
モクセイ属になるので、同じような香りを漂わせて咲いていますが、春の花ね。

見ていると、スイカズラは、この辺だとジャスミンの後を追うように咲きます。
どちらも甘い香りがして、ふと振り返るように匂いを確かめずにはいられない。

そんな時候に咲く同じ白い花でも、ブログで誤った植物名を紹介していました。
それは、トキワツユクサでして、投稿ではペペロミア・グラベラと偽りました。

このペペロミアはオオバコみたいな花が咲きますが、白い花が咲いてしまった。
だから、違うとわかって画像検索した結果、露草の仲間だと判明したのですよ。

その後、近所では、側溝のグレーチングから顔をのぞかせているのを発見した。
グレーチングといっても分かりにくいですが、金網の様な側溝の蓋を指します。

つまり、汚泥の溜まった側溝で繁殖できたのですから、何とタフな植物なんだ。
感嘆せずにはいられませんが、逆に鉢植えで育てる意味がなさそうな気もする。


    
刈り取るかどうかを思案している次第ですが、花の大きな露草も咲いてました。
それは、オオトキワツユクサ(大常盤露草)で、単純に花の大小で命名なんだ。

通勤途中の道すがらに咲いており、あまりに目立たなくて見落としていました。
これで、何がしかの香りでも発していれば、人目の付く花になっただろうにな。

というわけで、流行り病で自粛中のさ中、健康維持で散策中に花の鑑賞なんだ。
このコロナちゃんに掛かると、後遺症で味や匂いが分からなくなるらしくて、そうであれば、このスイカズラの甘いかぐわしい匂いすら楽しめなくなるかと思うと、何とも中共ウイルスは、野卑で無粋な病毒かよと思ってしまったのでした。
  
   後日談。結局、常盤露草は刈り取ってしまいました、合掌。



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