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我々の周りには様々な細菌がいるのですが、 変り種は大気中の雨降らし細菌です。
約四十年前、雨、雪、雹、霰の中に、 氷核形成体という有機物が発見されました。
氷核活性細菌といって、雪や雨の「氷核」 と呼ばれる微粒子の元になっています。
摂氏十度の温度でも、雪や雨の氷核が形成されますが、 その細菌のしわざでした。
今まで、お勉強では、 細かいチリが核になって雨粒になると習ったかもしれません。
でも、これが大違いで、 この氷核活性細菌が地表と大気上空を循環しているらしい。
大気中の水蒸気が雨になって降り注ぎ、 蒸発して再び雨になるのが、水の循環です。
氷核活性細菌は土壌に潜んで、 水分の蒸気に紛れ込んで上空に昇って行きます。
そこで自ら氷核を作り、雨や雪になって地上へ落下し、 再び大気の循環に乗りだす。
つまり、地球の水の大循環の原動力となっていたのが、 細菌だったのは驚きでしょう。
ところで、この氷核活性細菌ですが、 実はスキー業界でも商業利用されていました。
商品名はスノーマックスといい、 人口降雪機の造雪促進剤として導入されています。
これは、樫山工業のパンフを見ていて発見したのですが、 平成五年の発行でした。
スキーブームの最盛期だった頃で、 ゲレンデ整備には金を掛けていたのでしょう。
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なにせ、当時は暖冬傾向が強い時代で、 天然の雪がなかなか降ってくれません。
神頼みにしていたのでは、スキー場もオープンできず、 収入も減ってしまいます。
ゲレンデ開発に巨額の投資をしたのに、肝心な雪がないと、 ただの斜面でしかない。
こうなると、何が何でも人工雪を降らせるしかなく、 スノーマシンが注目されました。
あの頃は、どこのスキー場でも、 大きなファンのついた機械を当たり前に見ました。
移動可能なキャタピラー車もありましたが、 ゲレンデ脇に固定されていたのも多い。
スノーガンのタイプやら、ホースが張り巡らされたり、 貯水池もあったりしました。
それで、空気中の水分はマイナス七度以下に冷えれば雪ですが、 当時は暖冬です。
寒ければ、空気中に水を散布してファンで巻き上げれば、 簡単に雪は降ってくれます。
ところが、西日本では、一月になっても営業できないほど、 ひどい暖冬が続きました。
納入実績表(H4年頃) グーグルドライブはこちらから |
こうなると、零度近くまで気温が冷えたら、 無理やりに雪を降らしてしまいたい。
一方、この雨降らし細菌なら気温が零度以下になれば、 簡単に雪へ変わります。
そこで、この菌を無害の粉末にして水にまぜて、 噴射させるアイデアが出されました。
これがスノーマックスの商品化でして、 人口降雪機の能力を強力に補完しています。
ですので、単純なスプリンクラーというより、 バイオ人工降雪機と言うべきでしょう。
この技術は、 昭和63年のカルガリー冬期オリンピックで大々的に使用されまし た。
ところで、タイトルに挙げた事件は、昨年、 北海道で頻発した盗難事件になります。
ネットで話題になりましたが、 同時期に中古のスノーマシンも多数取引されました。
バイヤーは韓国人というのも面白いのですが、 平昌オリンピックがキーワードなのか。
信憑性はありませんが、 オリンピックのゲレンデ造成用に持ち帰ったというのです。
韓国にもスキーリゾートは十箇所以上あるようですが、 積雪量は思ったほど少ない。
オリンピック開催地の平昌は、 何と多い年で40センチ程度しか見込めないのです。
これでは、天然雪に依存はできず、 勢いスノーマシンに頼るしかなくってしまいます。
標高も山岳地帯で千五百メーターがやっとで、 冬の気温もさほど厳しくなさそうです。
こうなると、 残る手立ては造雪促進剤のスノーマックスを使うしかなくなるので す。
ただ、スノーマシンの機種によっては、 水専用でノズルが目詰まりするかも知れない。
特に、北海道は、 冬の山間部だと簡単にマイナス七度以下に冷えてしまいます。
仕様も水専用なのかも知れず、 韓国へ持ち込んでも使えない可能性が残ります。
つまり、造雪剤がなければ、韓国では雪も降らせないと、 ネット住民が考えました。
だから、タイトルも嫌韓表現の丸出しで、 平昌オリンピックを当てこすったのでしょう。
というわけで、この氷核活性細菌は、 雲を形成する水滴中のエアロゾルなのでした。
この核が、生物由来のものもあるという意味でして、PM2. 5の範疇にも入ります。
実際は、 感染症やシックビルディング症候群を引き起こす可能性が無くもあ りません。
もし、こういった造雪剤が利用されていくとなると、 人間に対する影響も気になります。
商品化されているものは殺菌された菌体なので、 感染はあまり気にしなくて良さそうですが、 アレルギー系となると不安が残りますし、 スキーヤーの気管支系に影響を与えるかも?という話題が、 なぜ出ないのかとふと思ったのでした。
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