2020年12月10日木曜日

軽いわりに風で飛ばすには、いまいちな形態の種だし、宿根草の安易さなのか種で増やそうとする熱意の見られない変な植物 - ウマノスズクサ(ウマスズノクサ科)

近所で咲く花は実を付けない

過日、山口県に住む方のご厚意で、ウマノスズクサの種子を分けて貰えました。
花好きの方がブログで投稿しているのを見つけて、楽しみに読んで来たのです。

今年の夏頃だったでしょうか、この植物が開花したと報告が綴られていました。
なので、ひょっとして実がなるかもしれないと、ブログの成行きを見守ります。

そうしたら、結実したと写真が載せられていたので、すぐに連絡を取りました。
運がよかったのかもしれず、親切な厚意に甘んじていただくことができました。

それで、種子が送られてくると思ったら数個の果房が箱の中に入っていました。
ビニール袋に入った封は厳重ですが、裂けだした果房から種がこぼれています。

つまり、自分で裂いて種子を採取すると判断して、種まきをする前に決行です。
その前に電話でお礼を述べましたら、種まきは取ってすぐ撒くのがよいらしい。

加えて、残った種子は、来年になって改めて撒いて発芽を見守ったらと助言だ。
自分もそう思ったので、まずは小さな果房を幾つか裂くと、種が出るわ出るわ。



これだけで、百粒以上になって、半分を容量的に九号くらいの鉢に撒きました。
思いますに、果房はコルク質で、割れると軽めの種子が先ず飛ばされる雰囲気。

これで、少しづつ生息域を広げるのかもしれませんが、種は未だ残っています。
このコルク質の部屋に残った種子ですが、それごと地上へ落ちると思いました。

そして、コルクが朽ちた後に発芽できれば、種子を作った株と共に育つのです。
このコルク質を見ていると弾力もあって、外界の環境から種子を守る役目かな。

びっちりと種子が詰まって、果房も朽ち果てるのに時間がかかるかもしれない。
同じ土壌ですから安全に繁茂すると思いますが、生息気を広げる二段階作戦だ。

これを考えますと、種子の発芽する寿命は三四年は持ちそうだと見立てました。
ならば、宿根草ですので、数年に一度の結実でも種の保存が賄えるのでしょう。

大葉馬の鈴草はそっとしてある

学問上、植物の種子を散布する方法が幾つかありますが、この植物はどれかな。
自分が思いますに、おそらく風散布型と重力散布型のミックス戦略でしょうね。

ただ、繁殖域が少なくなってきているのは、結実する間隔が長すぎるからだな。
数年に一回程度でしか実がならない話が多いので、あまりに非生産的でしょう。

というわけで、六年ぶりの結実だったそうで、人為的に増やすとしましょうか。
じつは、近所でオオバウマノスズクサの株を発見してあるのですが、秋の草刈でいつも刈り取られてしまうため黙って見守っている最中で、来年の四月になれば開花して結実するでしょうから、そちらの種子採集と繁殖も楽しみにしている自分がいるのでした。



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