2023年9月30日土曜日

小高い丘の中腹に遺跡があったのですが、縄文時代は5メートルも海面が高かったのが理由なんだって ー 中空土偶(北海道・道南)

     
北海道で唯一の国宝になった、愛称”カックウ”君の土偶を見に行ってきました。
ところが、展示物はレプリカで、本物は別の展示会に貸し出し中と判明したの。

説明にはそう書いてあって残念だなあとは思いましたが、致し方ありませんな。
それでも、複製品は非常に精巧な造作なので、鑑賞目的は同じだと感じました。

ネーミングが面白いですが、出土した旧自治体名と土偶の構造からネーミング。
土偶というのは、通常、中が粘土で詰まった塑像なのですが、これは違います。

中がくり抜かれて中空状態の土偶でして、造形がかなり難しかったと思います。
しかも、土偶では国内最大の大きさで、立ち姿の造形もなかなか優れているな。

発見当時、自治体には展示施設がなく、金庫にしまったままの状態だったとか。
それから重要文化財になって町おこしに一役買えるよう、愛称を募集しました。


① 「函館市縄文文化交流センター」はここをクリック
② 「史跡垣ノ島遺跡・大船遺跡」はここをクリック

それが”カックウ”ですが、展示している場所は”函館市縄文文化交流センター”。
立派な施設も出来上がって、周辺の縄文遺跡から出土された発掘物を展示する。

全国でも国宝になった土偶は五点ありますが、縄文のビーナスは既に鑑賞済み。
長野県茅野市の尖石縄文考古館にあり、もう一点も国宝指定なので二体も展示。

それで残り三体は、カックウ”君を除いて東北地方にあって、土偶の宝庫だな。
宇宙服を着た宇宙人と噂された”遮光器土偶”もあるが、これは重要文化財なの。

どんな指定を受けようが、土偶にはそれぞれ個性が光っていて、見飽きません。
一方、子どもの足形や手形を写し取った粘土板の出土品も展示されていました。

”足形・手形付土製品”と言いますが、死んだ子どもの形見として作ったようだ。
または、母親などの死に際して、子どもの形見で副葬したと考えられています。

縄文時代には、親子の愛情や思いやりが伝わる深い精神世界があったのかなあ。
仏教伝来前に、霊魂が普遍に存在するというアニミズムを信じていたのだろう。

そして、この施設に隣接して垣ノ島遺跡があって、栗の木が自生していました。
元来、北海道でこの木は自生しませんが、内地から縄文人が持ち込んだみたい。

道南地方が比較的温暖だから自生できたのですが、これは住みやすい証拠だな。
この他、東北地方から縄文人が、猪の子(瓜坊)を持ち込んで育てていました。

貝塚でその骨が見つかったそうで、本来なら北海道で繁殖できない生き物です。
なので、青函海峡を挟んで、内地の縄文人とは交流が深かったのも分かります。

そんな話をセンターの説明員さんから聞きましたが、さすが奥深い縄文文化だ。
というわけで、北海道・北東北の縄文遺跡群として、ユネスコの世界遺産認定。

北海道側の遺跡展示施設としては、このセンターが充実していて、世界遺産の内容を知りたいのであれば、ここで展示物を見るもよし、遺跡全体を散策しながら縄文時代に生き人々に思いを馳せるのも良しと、ぜひ訪問を推奨したくなるのでした。



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