2025年10月19日日曜日

地方経済の疲弊を男女関係に絡ませて描くのも、道産子としてはいかがなものかと思う ー ホテルロ-ヤル(第149回直木賞受賞)

         
道東にあるホテルローヤルというラブホテルをモチーフにした短編小説集です。
簡単に言えば、北国のラブホテルで心をも裸にしてまさぐりあう男と女のお話。

ただ、そこに至るまで人には人の人生の大切な断片があり、抉り出しているな。
登場人物には、互いの孤独を重ねる中に見える、各人の心象風景が存在します。

北の大地のように心寒い気もしますが、それは地方経済の疲弊を象徴している。
明るく活気のある話なら、イケイケどんどんで、分かれても別の人が見つかる。

気に病むこともなく楽しく暮らせそうなお話なら、ラブホ経験も楽しいだろう。
ですが、タンチョウヅルが宙を舞うような、広大かつ荒涼な釧路湿原が原風景。

人生には有為転変もあり、商売も立ち行かなくなり、そこには経済が絡みつく。
実は、この小説を読んで、NHKの銀河テレビ小説”家族日記”を思い出しました。

このドラマは、話の筋の展開が沈鬱で、離婚の危機にある夫婦を描いています。
その中で、息子は、なんとか元に戻したいと一生懸命に力を尽くすという設定。

すでに半世紀前の放映ですが、主題歌を北海道出身の松山千春が歌ってました。
タイトルは”夜明け”で、未だに耳に残る良い曲なんだが、ドラマは視なかった。

ドラマ全体も暗いし、主役の河原崎建三が演じる夫のふがいなさが嫌だったな。
視聴しなくても、曲だけで思い出せるドラマですが、それが斜陽の港町、釧路。

一方、地元湖陵高校出身の大学の同窓生が、故郷が懐かしいのか話にしていた。
最近では、NHKドラマ "地震のあとで"の「UFOが釧路に降りる」も見ました。

釧路が舞台で舞台設定にラブホが出てくるのですが、この小説のオマージュか。
村上春樹の連作短編小説の一篇ですが、SFっぽい描き方で良くわからない小説。

とにかく、良くも悪くも釧路というか根釧地方はドラマの表舞台になるようだ。
というわけで、小説自体の筋書きは面白いので、是非一読をお勧めいたします。

ただ、R18指定っぽいので未成年には読んでもらいたくなくて、どちらかというと、酸いも甘いもかみ分けてきたような人生経験豊富の方々にぜひ読んでもらいたいと希望する自分なのでした。



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