2021年5月17日月曜日

入院中をモデルにしたから、この肖像画を売って葬儀代金に充てた逸話自体、交流のあった芸術家をリスペクトして描いたのだろう - イリヤ・レーピン(画家・ロシア)

(Modest Mussorgsky, 1839 - 1881)
   
この作曲家ムソルグスキーの肖像画は、画家レーピンが描いた代表作品の一つ。
レーピンは、19世紀に活躍したロシアの画家で、移動派を代表する芸術家です。

ただ、この時代は、すでに写真が登場して肖像写真を撮影する人も増えました。
このムソルグスキーだって、撮影した肖像写真がありますが肖像画もそっくり。

だた、描いたのが入院中で死去の数日前という状況で、彼の病んだ姿がリアル。
この画家の描写力、画力に今更ながら感動しますが、代表作は他にもあります。

特に”ヴォルガの船曳き”という作品が有名ですが、社会を暗に批判しています。
特に本人自身が富裕な階級の出身でないためか、貧しい人々に目を向けました。

実は、作品が発表された時、小説家のドストエフスキーが書きの残しています。
”作家の日記”の中で、芸術における真実の勝利であるとして高く評価したんだ。

(Repin - Volga_Boatmen 1870-1873)
      
まあ、一般的には、社会秩序の矛盾や階層間の緊張を描いた画家と言われます。
そして、この鋭い写実が移動派と呼ばれる集団の画風ですが、なぜ移動派なの。

単純にロシア写実派で済みそうですが、本当は既存の芸術組織に反対したから。
当時、帝政ロシアの官製芸術が主流で、好きなように描けなかったのが実態ね。

このため、そういった制約の多い組織を嫌った画家たちは、新しい組織を結成。
それが自由思想の”巡廻美術展協会”であり、日本では”移動派”と呼んでいます。

それで、なぜ巡回なのかは、ロシア各地で主催した巡廻美術展に因んでいます。
なるほど、そういう分けだったのかと納得したところで、レーピンに戻ります。

実は、彼の業績では肖像画家としても高名で、作曲家も数多く描いているんだ。
社会的な写実がも多い中で、とりわけ、音楽関係者の肖像画が多いのが面白い。

特に、ロシア国民学派の作曲家では、リムスキーコルサコフ、ボロディンなど。
その代表作が上に挙げたムソルグスキーですが、中にはリャードフなる人物だ。

(Anatoly Lyadov 1855 - 1914)
         
さほど知られていない作曲家ですが、小規模な作品が多いのが理由のようです。
まあ、ロシア音楽と言えば、雄大で時に素朴な土臭さの作品を想起しがちです。

ところが、彼は”音楽の細密画家”と呼ばれる作風から、大規模な作品が少ない。
このため、人口にあまり膾炙していないと思いますが、特にピアノ曲が美しい。

ユーチューブで探し出せば鑑賞できるので、ぜひ聞いて頂きたいと思いました。
というわけで、冒頭の肖像画を見ると、なぜか”はげ山の一夜”を思い出します。

あの楽曲は、解説を読むとおどろおどろしさが印象に残るのですが、どちらかというとリムスキーコルサコフが編曲したバージョンでは、管弦楽法の大家の手によるものだけに洗練され過ぎたきらいがあり、他方、最近増えたオリジナル版の録音を聞くと、酒におぼれて体を壊しながらも鬼気迫る境遇で作曲したのではないかと思わせてしまうぐらい、正に土臭くスラブ的な作品だと思うのでした。
        
おまけ:レーピンが描いた作曲家達の肖像画

上段左から、リムスキ―・コルサコフ、ボロディン、キュイ
下段左から、アントン・ルービンシュタイン(2点)、グリンカ



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