2021年5月15日土曜日

ハリウッドの映画産業が、ナチスのユダヤ人迫害から逃れた作曲家を引き寄せ、映画音楽のジャンルを確立させた功績 ― バイオリン協奏曲(コルンゴルド作曲)

Erich Wolfgang Korngold (1897 - 1957)
      
今やテレワークが常態化してしまった日々ですが、自宅でBGMを流しています。
一方、オフィスでイヤフォンをしつつ仕事をするのは、何となく憚られるもの。

なので、人の目を気にしつつも、ユーチューブでニュースなどは視聴する日々。
だけど、テレワークは、始業のテレビ会議に出席したら、後は聞き放題の自由。

なので、色々な音楽をユーチューブで探しては聞きながら、ながら業務の日々。
その中で、BGMですからクラシック、ジャズなどのジャンルの音楽が好ましい。

ただ、古今有名な大家の作品は聞き飽きていて、物珍しい作品を探したりする。
まあ、その中で発見したのが、ロシア国民学派であったり女流作曲家だったり。

特に二十世紀以降のクラシック作品が珍しくて、特にバイオリン協奏曲なんだ。
ジャンル的には現代音楽で、以前はバルトークの二番が好きで聞いていました。

それ以外には、アルバン・ベルクの作品も聞きましたが、聞く姿勢が必要なの。
つまり、現代音楽は鑑賞に体力が必要で聞き流せるような音楽でもありません。

音を楽しむと書いて音楽な分けで、気合を入れなきゃ聞けないなんて情けない。
なので、仕事用のBGMに現代音楽はダメで、そうなると後期ロマン派なんだな。

この時期のこういった作品は、楽壇から時代遅れとみなされがちで肩身が狭い。
でも、作曲家コルンゴルトのバイオリン協奏曲は、バーバーの作品と並び立つ。

まあ、ご本人はドイツナチスからユダヤ人迫害を逃れ、ハリウッドで活躍した。
なので、各楽章のモチーフを、自分の作曲した映画音楽から取上げていました。

第一楽章では映画「砂漠の朝」から、第二楽章は「風雲児アドヴァース」から。
第三楽章では「放浪の王子」のテーマで、独奏者に高度な技法が求められます。

サウンドトラック「放浪の王子(1937)」
  
まあ、世紀末ウィーンの残り香を漂わせ、濃密で抒情的な音楽語法による作品。
発表時、既に十二音技法などの無調音楽が主流でしたが、あえて逆行する作風。

最近では、あの名バイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムターもリリースした。
なので、最近では重要な演奏品目に数えられるようになってきている感じです。

一方、映画音楽で残された数多くの作品も、ユーチューブでも聞けたりします。
これを聞いていて思い出すのは、「スターウオーズ」の源流がここにある感じ。

今や、このサウンドトラックは、クラシック作品とみなされているほどだから。
作曲したジョン・ウイリアムズは、子供時代に彼の映画音楽を聞いたのかもな。

というわけで、今やコルンゴルドは新ロマン主義音楽の代表的作曲家なのです。
本人は、自分の人生を振り返って、”私は忘れられたのだ。今の人々は私のことなどまったく知らない。”と侘しい言葉を遺していたのですが、映画音楽が出現して一世紀になる現代では、彼の作品もまたクラシックとして扱うのも正当な分けでして、再評価の意義は非常に大きいものだと思うのでありました。
    


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