永年、アゲハの幼虫をバルコニーで世話しましたが、気づいたことがあります。
多くの芋虫君たちを観察して来た中で、個体差がかなりあるなと感じたのです。
目のような、特徴的な眼状紋があるのは共通ですが、斜帯に違いがあるのです。
腹部の周囲を黒と白の帯が三本ほどV字に巻いていますが、この違いが大きい。
黒い帯が濃く並んでいる白帯が細い芋虫、その逆の形態の芋虫に分かれるのだ。
何年も見ていますが、濃い黒帯のタイプが多い中に、白帯が目立つのがいます。
そして、この二つのタイプが混在して成長しており、これが個性なのでしょう。
何年もの間、この両方がヘンルーダの低木で成長して、蛹になっていきました。
ただ、最終的には脱走してしまって、蛹から本当に羽化したのかはわからない。
まあ、例年、二つのタイプが成長していくので、個体差は遺伝しているのかな。
でも、ベランダの床に鉢が置いてあり、外からは欄干のせいで見えないのです。
しかも、三階だから、アゲハも高く飛んで来て産卵するのが、不思議なんだな。
まるで、ここが分かったように目指して、ヒラヒラと飛んでくるのを見ました。
それで、蝶もこの場所を記憶しているように思えるのですが遺伝なのだろうか。
確かに、個性差のある芋虫が孵化して巣立っているから、成虫も違うはずです。
他には、蝶には蝶道という一定のルートをたどって飛行する習性もあるらしい。
そうならば、産卵できる柑橘類のある場所を、遺伝で伝えられていないのかな。
蝶道だって、それに沿って飛行していれば繁殖もできるし産卵もできるのです。
自分ですら不思議に思うほどですから、昆虫学者も研究しているはずでしょう。
ただ、驚きなのは、それを解明したのが十歳の小学生というから、びっくりだ。
<実験の概要>
① 幼虫にラベンダーの匂いを嗅がせながら、低周波治療器で刺激します。
「この匂いを嗅ぐと嫌なことが起こる」のを学習させて成長させます。
② 蛹から羽化して成虫になったら、この匂いに対する反応を実験します。
結果は、68%の蝶が、ラベンダーの匂いを嫌がりました。
③ 追試として その子や孫も調査すると同じように匂いを避けていました。
昨年の”国際昆虫学会議(ICE)”で発表されたのですが、記憶は遺伝するのだ。
だとすれば、欄干の陰になっているヘンルーダまで飛んでくるのは、記憶だな。
というわけで、人間にも記憶の遺伝子というものが存在するのか、興味津々だ。
もし、生物に遺伝する記憶があるのなら、それは後天的な経験の伝達と言ってよく、生物の進化によってプログラムされた本能に追加して、この両輪が遺伝子に介在する方法が、正に種の保存を確実にしていると、感じてしまったのでした。


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