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平成5年5月1日滑走 |
志賀高原スキー場は、三年連続で出かけたのですが、大きな変化を経験しています。
それは、リフト券が、日付を印字した紙のチケットから、ICチップへ変わっていました。
リフト券の売場では、お知らせの貼紙があり、デポジットの徴収を説明しているのです。
料金に千円を上乗せして払うのですが、返却すれば保証金は返される仕組みでした。
この金額は、データを書き換えて再生できるように、回収を促す目的を意味します。
千円なら食事一回分の金額にもなり、疲れたスキー客だって絶対に忘れないでしょう。
ちゃんと自動回収機に立ち寄ってICを戻せば、返却口から千円札が出て来るのです。
今は、もう野口英世に切り替わってしまいましたが、あの頃は夏目漱石のお札でした。
ところで、宝塚の歌劇場では、オペラグラスの保証料が五千円ととても高額なようです。
レンタル料金は、たったの500円なのに、借用品の価値がそれぐらいするのでしょう。
保証料もいろいろだと思いましたが、リフト券の場合、ICチップのコストかもしれません。
このICには、レシート見たいな紙が貼り付けられていて、それが冒頭の券片なのです。
自分的にはリフト券のコレクターでもありますし、絶対に記念に持ち帰りたくなりました。
ただ、ICの千円はお高くつくので、ていねいに紙片をはがして戦利品としたわけです。
こうして、活字だけの紙っぺらを見ていると、デザインもへったくれもないと思いました。
もし、日付をスタンプしたリフト券なら、スキー場のロゴやマスコットも印刷できるのです。
そういう券であれば、小さいとはいえ、デザイナーが腕を振るうこともできるはずです。
一方、志賀高原の券は、そんなに図案が素敵とは言えませんが、それでもマシでした。
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平成4年4月25日滑走 |
印刷する必要がなくなると、地元の広告・印刷会社も仕事が減ってしまうはずでしょう。
反対に売上やリフトの搭乗回数など、ICによるデータの集計・分析は簡単になります。
地元に仕事が落とした方がいいのか、スキー場の経営分析を支援した方がいいのか。
答えは後者でしょうが、リフト券収集家としては、何とも無味乾燥な時代になりました。
さて、この志賀高原のスキーゲートは、オリベッティ社のシステムが採用されています。
この会社はイタリア企業で、大型電子計算機やタイプライターのブランドが有名でした。
イタリアも大規模なスキーリゾートがあり、システムのニーズは先んじていたのでしょう。
特に、ドロミテスーパースキーは有名で、全12エリアのコース総延長距離がすごい。
なんと千二百キロ以上に及び、しかも一つの共通リフト券でアクセスできてしまいます。
規模も世界最大なら、そんなエリアは電子的にデータを管理するのが、手っ取り早い。
こうして、ICカードを使ったスキー場の運営・管理手法が構築されたのだと思います。
一方、規模を比較して、日本のスキー場だと導入するメリットがあったのでしょうかね。
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志賀高原だと、当時22のスキー場、74のリフト・ゴンドラがエリアに集まっていました。
リフトを運営する会社も複数ある中、スキーヤーにとって共通リフト券は便利でした。
ただ、運営会社では、共通リフト券の売り上げをどう配分するか、悩んだはずです。
どのリフトに何人が乗ったかを集計して、迅速に売り上げを按分する方法がないのか。
昔は、監視員がリフト券をチェックするたびに、手作業で数取り器を押していました。
そんな記憶があるのですが、記録された数値も運行日誌に書き留められたのでしょう。
こうして、集計された数値を持ち寄っては、按分するという人力だったのかもしれない。
こんな非効率なことをするぐらいなら、ゲートシステムの方が便利で確実なはずです。
というわけで、スキーブームに便乗して、国内企業もこのシステム開発に参入しました。
このオコジョがかわいいパンフレットは、スノーマシンで有名な樫山工業の製品です。
富士電機が開発したシステムなのですが、志賀高原のオリベッティ製は、索道メーカーの日本ケーブルが取り扱っていたらしく、スキー場の施設に関わるメーカーがこぞって参入していたのだと、今改めて調べてみて分かったのでした。
おまけ:
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追伸:
平成27年がやってまいりました。
あけましておめでとうございます。
今年も自分史のスキーブログを続けてまいります。
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