2015年1月1日木曜日

オリベッティのICリフト券は実に無味乾燥で、地元のデザイン会社も憤慨しただろうな  - 焼額スキー場 (その二)

平成5年5月1日滑走

志賀高原スキー場は、三年連続で出かけたのですが、大きな変化を経験しています。
それは、リフト券が、日付を印字した紙のチケットから、ICチップへ変わっていました。

リフト券の売場では、お知らせの貼紙があり、デポジットの徴収を説明しているのです。
料金に千円を上乗せして払うのですが、返却すれば保証金は返される仕組みでした。

この金額は、データを書き換えて再生できるように、回収を促す目的を意味します。
千円なら食事一回分の金額にもなり、疲れたスキー客だって絶対に忘れないでしょう。

ちゃんと自動回収機に立ち寄ってICを戻せば、返却口から千円札が出て来るのです。
今は、もう野口英世に切り替わってしまいましたが、あの頃は夏目漱石のお札でした。

ところで、宝塚の歌劇場では、オペラグラスの保証料が五千円ととても高額なようです。
レンタル料金は、たったの500円なのに、借用品の価値がそれぐらいするのでしょう。

保証料もいろいろだと思いましたが、リフト券の場合、ICチップのコストかもしれません。
このICには、レシート見たいな紙が貼り付けられていて、それが冒頭の券片なのです。

自分的にはリフト券のコレクターでもありますし、絶対に記念に持ち帰りたくなりました。
ただ、ICの千円はお高くつくので、ていねいに紙片をはがして戦利品としたわけです。

こうして、活字だけの紙っぺらを見ていると、デザインもへったくれもないと思いました。
もし、日付をスタンプしたリフト券なら、スキー場のロゴやマスコットも印刷できるのです。

そういう券であれば、小さいとはいえ、デザイナーが腕を振るうこともできるはずです。
一方、志賀高原の券は、そんなに図案が素敵とは言えませんが、それでもマシでした。

平成4年4月25日滑走

印刷する必要がなくなると、地元の広告・印刷会社も仕事が減ってしまうはずでしょう。
反対に売上やリフトの搭乗回数など、ICによるデータの集計・分析は簡単になります。

地元に仕事が落とした方がいいのか、スキー場の経営分析を支援した方がいいのか。
答えは後者でしょうが、リフト券収集家としては、何とも無味乾燥な時代になりました。

さて、この志賀高原のスキーゲートは、オリベッティ社のシステムが採用されています。
この会社はイタリア企業で、大型電子計算機やタイプライターのブランドが有名でした。

イタリアも大規模なスキーリゾートがあり、システムのニーズは先んじていたのでしょう。
特に、ドロミテスーパースキーは有名で、全12エリアのコース総延長距離がすごい。

なんと千二百キロ以上に及び、しかも一つの共通リフト券でアクセスできてしまいます。
規模も世界最大なら、そんなエリアは電子的にデータを管理するのが、手っ取り早い。

こうして、ICカードを使ったスキー場の運営・管理手法が構築されたのだと思います。
一方、規模を比較して、日本のスキー場だと導入するメリットがあったのでしょうかね。

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志賀高原だと、当時22のスキー場、74のリフト・ゴンドラがエリアに集まっていました。
リフトを運営する会社も複数ある中、スキーヤーにとって共通リフト券は便利でした。

ただ、運営会社では、共通リフト券の売り上げをどう配分するか、悩んだはずです。
どのリフトに何人が乗ったかを集計して、迅速に売り上げを按分する方法がないのか。

昔は、監視員がリフト券をチェックするたびに、手作業で数取り器を押していました。
そんな記憶があるのですが、記録された数値も運行日誌に書き留められたのでしょう。

こうして、集計された数値を持ち寄っては、按分するという人力だったのかもしれない。
こんな非効率なことをするぐらいなら、ゲートシステムの方が便利で確実なはずです。

というわけで、スキーブームに便乗して、国内企業もこのシステム開発に参入しました。
このオコジョがかわいいパンフレットは、スノーマシンで有名な樫山工業の製品です。


富士電機が開発したシステムなのですが、志賀高原のオリベッティ製は、索道メーカーの日本ケーブルが取り扱っていたらしく、スキー場の施設に関わるメーカーがこぞって参入していたのだと、今改めて調べてみて分かったのでした。


おまけ:
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追伸:
平成27年がやってまいりました。
あけましておめでとうございます。
今年も自分史のスキーブログを続けてまいります。


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